東京マルイ・89式5.56mm曲折銃床小銃〜攻殻機動隊・自衛軍クゼの小銃〜に寄せてみたがあまり似てないかも…
自衛隊の主力小火器として20式小銃がだんだんベールを脱いで部隊配備も進み始めているようだが、今現在も数の上では自衛隊の主力小火器は89式小銃ということになる。
開発が難航して何度も要求仕様が変更されて、その割には頑張って設計された64式小銃は当時のジェーン年鑑では「大変優秀」と評価されていたが、流石に80年代にはもう「古臭いな」という印象だった。
アメリカがベトナムでM16という異様な姿の小銃を使い初めて、FNもFALからFNCに世代交代してソ連でももうAK47は博物館行きになってAK74が主力になっていた時期に日本の小銃はどうなんだろう…と感じていたのを思い出した。
89式が姿を見せた時に「ようやく日本にも近代化の波が押し寄せた」とか大袈裟だけど思った。
89式はモダンなスタイルはしているんだけど、フォールディングストックの装備や拡張性などでまたしても近代小銃の中では遅れをとっているように見える。
それで自衛官は各自自分なりに89式をカスタマイズして今風にアレンジしているようだ。
その様子をマルイのガスガンで再現したのが前回のエントリ。
日本のテッポ89式5.56mm小銃〜出来はいいんだけど面白みに欠けるマルイ製品を自分なりにリアル化・カスタマイズ
光学サイトを取り付けるレールはとりあえず薬莢受けの袋を固定する突起に付け焼き刃で取り付けたとして、89式のなかなかあかんところはまるで猟銃のようにキャストオフしているストックのデザインだと思う。
89式には固定ストックバージョンとは別に折りたたみストックバージョンがある。
折りたたみストックの89は空挺や特車科の隊員にだけ支給されているのだそうだ。
ストックデザインに難があるし近代戦では邪魔になるストックをたためるのはなかなかのメリットだと思うのでなぜ全数これにしなかったのかとも思うが、おそらくこれは例によって後付けの仕様変更でデザインされたんだろう。
89の折りたたみはなかなか良いなとずっと思っていたので、これがうちにもやってきた。
マルイのガスブローバックの89式は固定ストックも持っていたが
折りたたみバージョンは箱に第一空挺団のエンブレムが印刷されていて畏れ多い
地元では飲み屋で空挺団がいたら地回りのヤーさんも席を譲るという伝説がある
標準型の89式との違いはストック部分だけで中身のメカは全く同一
ただキャストオフされた駄デザインの標準型よりも使い勝手はいいと思う
どうして全数これにしなかったんだろう?…と常々疑問に思っていたが
おそらく後から「空挺と特車にだけデザイン変更したものを同額で追加注文したい」
とかゴリ押しされて豊和も「赤字だが空挺だけなら数が少ないのでこの際泣きます」
とかなんとか無茶を飲んだ…という経緯ではないかと想像している
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
以前にも少し取り上げたが、89式が登場する作品がある。
映画ではなくテレビシリーズの「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」で、動乱期の自衛軍の主力火気として登場する。
「笑い男」事件を縦軸にした1stシーズンに続いて、2nd GIGでは謎のネットミーム「個別の11人」に誘い出されたテロ事件、そして11人の自決を引き起こした九州電波塔事件、そのただ一人の生き残りの「クゼヒデオ」が引き起こす「出島難民事件」と次々と引き起こされる謎の事件とその裏で糸を引く勢力との戦いを描く。
個別の11人にまつわる事件を追ううちにその鍵を握る「クゼヒデオ」という人物を追う9科のメンバーにより、その人物像を共有する回で元自衛官だったクゼが革命家に変貌する経緯が明らかにされる。
半島動乱に伴いPKO部隊として派遣された自衛軍…というパラレルワールドな歴史が語られる。
精鋭部隊として派遣された自衛官たちは、山賊化した現地軍の住民虐殺を止めるためにやむを得ず戦闘状態に。
精鋭が故に劣悪な装備の現地軍をほぼ一方的に虐殺に近い形で制圧したトラウマでPTSDを患った隊員たちに、本国の世論は冷たかった。
PTSDを癒すために薬剤中毒になり身を持ち崩す自衛軍兵士に
批判的な世論に迎合して醜態を暴こうとする低俗な写真ジャーナリストが群がる
その警備にあたるクゼの手には89式と思われる小銃が…
現行の89式と違いハンドガード下にグレネードランチャーを装備して
Aimpointっぽいサイトをレシーバーにつけている
カメラマンにクゼが話しかける「そのカメラとこの銃を交換しよう」
カメラを手にしたクゼはその足で営倉地を脱走しそのまま杳として行方がしれなくなった
そして次に姿を現した時に革命家「同志クゼ」に変貌していた
別の回ではスコープをつけた89式がイシカワの手に
南米で傭兵部隊に参加していた3人のメンバー
このうち強面のバトーがまだ新兵だった時代の話
自衛軍クゼの銃を再現してみた
クゼの銃はハンドガード下にランチャーを装着しているが
カットによってはその口径は40mmではなく25mm程度にも見える
カメラマンに銃を渡すシーンではやはり40mmランチャーに見える
小口径ランチャーは持ち合わせないので40mmで再現した
ハンドガードの強度の関係で実銃では多分これは不可能
マルイのガスガンはマガジンの残弾確認用窓を再現してくれているので
メッキゴールドのスプレーを筆に取ってここに塗った
クゼの銃は曲折銃床タイプの銃を使っているのでこのタイプを確保した
「半島動乱PKOモデル」の89式
ところで自衛隊ではイラク派遣以降オプションだったアンビセーフティが標準になった
この左レバーの固定バネが装備に引っかかって脱落する可能性があることが問題になり
今では隊員は15mm径のビニールホースを切ってバネ押さえにここにはめる
ホームセンターでビニールホースを買ってきてこれを再現した
空挺向け89式は20連マガジンを装着するそうだ
曲折ストックに30連マガジンも差してみた
もともと30連が標準だから別に違和感はない
ストック折りたたみはレシーバー下の解除ボタンでできる
この構造のために曲折ストックタイプはロワレシーバーの互換性がない
制退器と銃身は例によってバトルプルーフに黒染めを剥がした
銃身被筒はブラッセンで塗装している
ストックを畳んだ状態
この状態でもセレクターを動かせるようにストック左側には円形の切り欠きがある
ということは銃床を畳んだままの射撃を前提としている?
後述するがちょっと疑問はあるのだがそういうことかもしれない
銃床は3点のフックにより固定されてる頑丈な構造
ストックにガタがきやすいAR-18などを教訓としてるのかも
その割にはストック固定部分はロワレシーバーに鑞付けされているような構造で
銃床を畳んだままでフルオート射撃をすると問題が起きそうな気がする
それは実銃の話でガスガンの場合は強度に全く不安はないが
こうなると並べてみたくなるのが89式(上)とFNのFNC(下)
ともにガスガン
この2挺の小銃は外観はとても似ていると思っていたが並べてみると意外に似ていない
レシーバー左側にセレクターがあるFNC(下)と標準は右セレクターの89式(上)
ロアレシーバーが削り出しのFNCとプレスの89式と外観は似ているのに共通項は意外に少ない
それでも被筒が露出した放熱ライナーとその外側を
樹脂製ハンドガードが覆っているなどデザイン的には似通っている
ストックの比較
スライドのフックで銃床を固定する89式(上)と
ストックそのものが上下にスライドしレシーバーと直接噛み合うFNC(下)
頑丈さではFNCに軍配が上がりそうだ
ストックを左に折りたたむ89式(上)と右に折りたたむFNC(下)
サイズ感も結構違う
FALに比べるとコンパクトに感じたFNCだが
89式と並べると結構大きいことに気がつく
使用目的は同じような両者なのでこの違いはヨーロッパ人と
日本人の体格の差に配慮したということなのかも
自衛隊標準の3点式スリングをつけた曲折銃床89式
「クゼ」が参加した自衛軍PKO装備を模した89式
20連と30連のマガジン
なぜ空挺向けが20連なのか理由はわからないが
空挺は無駄弾を撃たないということなのかもしれない
自衛隊スタイル…
自衛軍スタイル…
2025年3月10日
|
|